
消防隊員が機器の開発や改良を行い、より使いやすくした成果を発表する第64回全国消防長会東近畿支部消防研究会で、日高広域の岡﨑大地司令補(35)=日高町=・川畑直生消防士(21)=みなべ町=組が優秀賞を獲得し、14日、日高町役場で事務組合管理者表彰が行われた。岡﨑・川畑組は「骨盤固定器具の装着補助具」を開発。来年2月上旬に審査が行われる全国大会に進む。
東近畿では機器開発の部に31組が出場。書類審査で、最優秀賞1点、優秀賞4点、奨励賞9点が選出された。
岡﨑・川畑組は骨盤骨折やその疑いがある傷病者に対しての装着が推奨されている骨盤固定器具について、ずれたり、時間がかかったりする問題を解消するため、アクリル板を加工した装着補助器具を開発。装着に時間がかからず、ずれや動揺を防げるうえ、SDGs(持続可能な開発目標)の目標⑫「つくる責任 つかう責任」の観点から、コロナ禍でパーティションに使っていたアクリル板を再利用しており、低コストで傷病者にやさしく迅速で確実な処置が実現できる作品を出した。同消防からの全国出場は2022年以来2年ぶり3回目。
表彰は町長室で行われ、管理者の松本秀司日高町長が表彰状を授与。「優秀賞の受賞は日ごろから消防機器の問題点を追究し、改善に取り組んだことが認められ、日高広域消防本部の機器開発能力の高さ、業務改善に向けた取り組みが評価されたもの。これは住民の安心安全につながることで、今後の活動に生かしてもらいたい。引き続き2人の頑張りと活躍に期待する」とたたえ、岡﨑司令補は「簡単にどこでも作れる自信作。高い評価を受けて大変うれしく思っています。皆さんの指導のおかげ」と笑顔を見せた。