これからは星空がロマンチックな季節。オリオン座の左肩のベテルギウスは、肉眼でも赤く見える赤色超巨星といわれる末期の姿。寿命が尽きる日が近く、いつ超新星爆発が起きるか分からないという。
直径は太陽のざっと1000倍、最大で14億㌔にもなる。そんな巨大な星が大爆発すれば、いったい地球はどうなるのか。降り注ぐ光と熱で気温が急上昇し、海水は枯れ、放射線が生物に深刻な影響を与えるかも。
とはいいつつ、何も心配はいらない。ベテルギウスと地球は640光年(光の速さで640年かかる)もの距離があり、専門家は爆発の際に昼間のような明るさがしばらく続くだけで、放射線の影響もないと楽観的だ。
宇宙は空間的にも時間的にも、人間の想像をはるかに超えるスケールで、この感覚を地球サイズに小さくすると、ベテルギウスよりずっとリアルに感じる。たとえば、日本の借金がヤバいという話。
たしかに、財務省が喧伝する「国民1人当たりの借金が1000万円を超えた」も一面の事実ではあるが、国(政府)の借金=国民の借金ではない。国民の不安をあおる財務省とマスコミの印象操作だ、との声は小さくない。
話題の「103万円の壁」も、財務省がいうように壁をなくせば税収が減り、経済成長が追いつかず財政が破綻するのか。逆に消費が増えて税収が上がり、人手不足解消につながるのか。議論を深めるほど、はるか遠くの天体のようにぼんやりとしていた双方のロジックが浮かび上がる。
化石資源やCО2などグローバルな環境問題もしかり。マクロな視点の感覚のずれ、恐怖や不安が利権を生むという点では、まさか、30年以内といわれる巨大地震も? (静)