印南ならでは、かつお節シフォンケーキを手に櫨畑君㊨と大谷さん

 印南町のかえるの港を運営する株式会社和みと南部高校食と農園科がコラボして、印南町が発祥の地のかつお節を使った新たなスイーツ「かつお節シフォンケーキ」を開発した。12月7日にかえるの港で開催するこどもフェスティバルで試験販売する。食と農園科調理コース1期生の櫨畑颯友(はぜはた・りょうすけ)君(3年・印南町)が試行錯誤を繰り返して作り出した自信作で、甘さとだしの風味を味わえる絶妙の逸品に仕上げた。

 和みのシニアマネジャー大谷真代さんが、かつお節を使ったスイーツができないかと、手作りアイスクリームの販売などでつながりのある南高食と農園科に、春ごろに依頼したのがきっかけ。スイーツづくりが好きな櫨畑君が快諾し、かつお節とスイーツという難しい課題に挑戦することにした。

 かつおだしのどら焼き作りにチャレンジしたが、あんこの味に負けてしまうことからゼロからやり直し。新たなアイデアに悩んでいたところ、かえるの港の名物、かつお節や梅干し、ウツボの揚げ煮などをトッピングしたかき氷「和歌山氷」を食べ、異色の組み合わせでもおいしいスイーツができることを参考に、シフォンケーキを思いついた。かえるの港で販売されているこだわりのかつお節とサバ節の2種類のだしをブレンドし、だしの味を感じられる分量を何度も試し、かつお節そのものも細かくして入れるなどして、「風味も効いている、これはいける!」と自信作を完成させた。

 こどもフェスでは、櫨畑君のレシピで調理コースの生徒全員で焼き上げる。かつお節のほかチョコ、オレンジ、ウメの4種類、約100個を作り、1個100円の格安で販売する。

 櫨畑君は「自分が考えたスイーツを販売できるのはうれしい。おいしいので、たくさん買いにきてほしい」とPR。調理コース教諭の田上稚子さんも「櫨畑君が頑張ってきたことが形となり、貴重な機会になる。これからも地元の皆さんとつながっていきたい」。大谷さんは「印南町ならではのスイーツができた。ぜひ味わって、感想を聞かせてもらいたい」と話している。