5日深夜から6日未明にかけ、日高川町西原で高齢女性が一人で住む民家が全焼する火災があり、火は通報から約1時間半後に鎮圧されたが、焼け跡から1人の遺体が見つかった。女性と連絡が取れていないことから、亡くなったのはその女性ではないかとみて、御坊署が遺体の身元確認を急ぐとともに、出火の原因を調べている。
現場は日高高校中津分校グラウンドから西へ伊佐の川を挟んで約200㍍、役場中津支所から北へ約500㍍入ったところの中野節子さん(85)宅で、午後10時37分ごろ、近くの住民が「中野さんの家が燃えている」と119番通報。日高広域消防や地元消防団、御坊署から合わせて10台以上、約70人が出動した。
中野さん宅は木造平屋約80平方㍍で、消防が懸命の放水活動を展開し、火は6日午前0時1分に鎮圧され、同1時58分に完全に消し止められたが、家屋を全焼。出火当時から中野さんの行方が分からないなか、鎮圧寸前の5日午後11時55分、日高広域消防隊員が家の中で1人の遺体を発見した。解剖を行う予定という。
現場周辺は民家が点在し、中野さん宅の周囲も畑などで、隣接する民家はなかった。近くに住む80代の女性は「中野さんとは仲良くさせていただき、3日前にも自宅に遊びに寄せてもらいました。火事のあった日の夕方も自転車を押して帰る中野さんの姿を見かけたばかりでした」。和佐に住む40代の女性は「火事があったところの近くに母親が住んでいるので、心配になって現場に行きました。到着したときには火の手が収まり、煙が上がっている状態で、集まった人たちも心配そうに見守っていました」と話していた。
御坊署と日高広域消防は合同で6日朝から現場を調査。出火原因を調べている。