
「和歌の聖地・和歌の浦誕生千三百年記念大祭」のメインイベントとなる聖武天皇行幸時代絵巻行列が27日、和歌山市の和歌浦周辺で行われ、約2万人が華やかな時代行列を楽しんだ。
今から1300年前の神亀元年(724)10月、即位間もない聖武天皇が玉津島(和歌の浦)に行幸。美しい景色に感動し、末永くこの地を大切に保存するよう詔(みことのり)を出した。この時、随行した歌人山部赤人が詠んだ「若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺をさして鶴鳴き渡る」の名歌に端を発して、和歌の浦が歌人憧れの地として知られるようになった。
聖武天皇行幸時代絵巻行列では、特別ゲストとしてNHK大河ドラマ「光る君へ」で藤原公任(きんとう)を演じる俳優町田啓太さんが役柄の衣装で登場。沿道からはひときわ大きな歓声が上がった。
町田さんは和歌浦について「景観が素晴らしく、歌を詠みたくなる先人たちの気持ちが少し分かった気がする」と話し、「今回、役につながる和歌の浦に来られてとてもうれしい。『光る君へ』の最終回が近づいています。最後まで楽しんでいただけると思うので、ぜひ期待してください」と笑顔で呼びかけた。