衆議院議員総選挙和歌山2区に、参議院議員からくら替え、無所属で立候補し、自民党新人との保守分裂選挙を制して初当選した世耕弘成氏(61)が一夜明けた28日朝、田辺市の事務所で取材に応じた。当選に「満足いく結果」とし、保守分裂となった選挙戦に融和を強調。政治とカネの問題については、先頭に立っての改革に力を込め、復党についても含みを持たせた。
世耕氏は選挙結果について「あんな早い時間に当選確実となる圧勝で、相手の比例復活も許さなかった。非常に満足のいく結果だった」とにっこり。一方で「与党が過半数を割り、これから政治が不安定になる。その原因をつくったのが、私が幹部を務めた旧安倍派の裏金問題であり、非常に忸怩(じくじ)たる思い。だから政治とカネの問題は私が先頭に立って改革を進めていかなければならないという思いを強くしている」と厳しい表情を浮かべた。
保守分裂選挙について「多くの方にご迷惑をおかけし、苦しい思いをさせて申し訳なかった。融和に努め、できれば和歌山のために一緒に手を組んで仕事をしたい」。自民への復党については「党が決めること」としつつ、「政治が安定することが何よりも重要。枠組みに貢献できるなら貢献したい。私は自民党の政策に反発したり、造反したりして離党したわけではない。和歌山の国会議員の経歴で私が一番長く、政策にすれ違いもなく、戻ることに違和感はない」と述べた。
このほか、ほとんどの市町村長が他候補の応援についたことについて「お立場があってのこと。やりにくさは感じていない」。地方を活気づける取り組みとして「今後、AIによって都会では事務職がなくなっていって人が余る。地方では農林水産やエッセンシャルワーカー、観光といったAIができない仕事で人手不足。このミスマッチを上手につなげば人の流れを呼び込める。具体的に政策化していきたい」と力を込めた。