衆院選挙に27日、有権者の審判が下された。和歌山2区では参議院議員からくら替えし、無所属で立候補した世耕弘成さんが父俊博さんの地盤を受け継いた自民党公認の新人二階伸康さんらを破って初当選。国全体で自民が公示前の256議席から191議席に大きく後退。公明も32議席から24議席に減らし、自民・公明の与党は過半数割れする結果となった。

 投票率も低調だった。インターネットの記事によると、小選挙区では53・84%で、2021年の前回(55・93%)を下回った。14年の52・66%、17年の53・68%に次いで戦後3番目に低い数字。50%台の投票率は5回連続だという。若者を中心とした政治離れが進んでいる実態が浮き彫りとなった形だ。

 今回の選挙では政治とカネの問題がテレビや新聞などで大きくクローズアップされた。自民党の裏金問題が今回の選挙結果に影響したほか、公示後には自民党から公認されなかった候補者が代表を務める党支部に2000万円を支給していたことも判明した。自民党の敗北や投票率にまで影響したといえる。国民の政治に対する不信が深まり、それに有権者が下した審判だったといえるだろう。

 投票が終わったばかりだが、選挙期間中の訴えは住民との約束。当選した議員や政党は選挙で掲げた公約を実現に向けて取り組まなければいけない。そういう意味ではこれからが本当のスタートといえるだろう。今後も国民自身がそれを注視し、常に政治に関心を持ち続けていくことが必要となる。世間で聞く「誰が当選しても何も変わらない」「選挙に行く意味があるのか」という言葉を払拭しよう。        (雄)