冬の使者ともいわれるコハクチョウが28日、日高町高家地内の田んぼに飛来した。日高地方で見られるのは珍しく、数年に一度飛来する程度という。
野鳥等を研究している農学博士の上出貴士さん(52)=日高町高家=が毎朝行っている野鳥調査で、ライスセンター北東の田んぼで午前7時15分ごろに姿を確認、撮影に成功した。ハシボソガラスの群れに混じって落穂をついばみ、7時45分ごろには谷口方面へ飛んでいった。
コハクチョウはユーラシア大陸北部のツンドラ地帯で繁殖し、冬に温帯へ移る渡り鳥。黒いくちばしの付け根が黄色いのが特徴。翼を広げると2㍍にもなる優雅な鳥として知られる。西日本では例年、日本海側に飛来しており、太平洋側に来るのは珍しい。
上出さんは「迷ったか、冒険心のある個体ではないか。このまま越冬する可能性もあるので、見つけても驚かしたりせず、見守ってあげてほしい」と話している。