
川で溺れた人を助けたとして、陸上自衛隊和歌山駐屯地第304水際障害中隊所属の久保仁一(きみかず)2等陸曹(41)が、有田川町消防の岩井伸幸消防長から感謝状、駐屯地の大塚靖宏司令から善行褒賞状を受けた。
駐屯地によると、久保2曹は8月13日午後1時ごろ、有田川町栗生の有田川で、自身の子どもと泳いでいたところ、近くで溺れて心肺停止の10代男性を発見。すぐに岸まで引き揚げ、救急車を要請するとともに、心臓マッサージ等を行った。男性は約1分後に意識を取り戻し、駆け付けた救急隊に引き継いだ。
的確な状況判断と適切な救護処置で人命救命に貢献。9月9日に岩井消防長から、10月1日に大塚司令からたたえられ、久保2曹は「水深も深かったため、足がすくんでしまうぐらい戸惑いましたが、体が勝手に救助に向かいました。男性を泳ぎながら引っ張り、心肺蘇生法を実施すると、意識と呼吸を取り戻してくれました。小さいころから川に連れってくれ、健全に育ててくれた両親に感謝するとともに、自衛隊で普段練成している水泳や潜水、立ち泳ぎ、救急法訓練の大切さを身をもって感じました。何よりも若い命を救えたことが一番うれしかったです」と話している。