印南町体育センターでの演説会で「チャンスをください」と二階候補
美浜町商工会館での演説会で「即戦力は私だけ」と訴える世耕候補

 衆院選は中盤に入り、新人5人が乱立している和歌山2区では17日、保守分裂の2陣営が日高地方で個人演説会を開き、激しく火花を散らした。参議院議員での26年間の経験をアピールして根強い支持で優勢が伝えられる無所属新人の世耕弘成候補(61)は「人口減少に歯止めをかける」、一方、追う展開となっている自民党新人の二階伸康候補(46)は危機感を前面に押し出して党とのパイプを強調し、「地方の声を国に届け響かせる」と訴えた。

 美浜町商工会館で世耕候補は、約70人の支持者を前に、自らの政治資金問題についてお詫びしたうえで、内閣官房副長官、経済産業大臣、自民党参院幹事長の11年間を含む、26年間の政治経験や実績をアピール。人口減少のストップへ、少子化対策や教育体制強化に取り組むとともに、政策として製造業、農林水産業、観光業での質の高い雇用の創造を力説し、「政治とカネの問題で失敗し、挫折のなか、諦めていません。立ち上がってもう一回、政治の中枢に戻って仕事をする、そのチャンスをつかみ取る選挙。一人ひとりの口コミで支持を広げてください。即戦力で和歌山のために仕事ができるのは私だけ。自信を持って戦っていく」と力を込めた。

 二階候補は印南町体育センターで約600人(主催者発表)の支持者を前に演説。5月の立候補表明から2区内を歩いて年配者から若者まで直接話を聞き、「人がいない、後継者がいない、働く場がない」という悲痛な叫びが胸に刺さったと説明。「地方の声を聞き、その悩みを政治で解決してこそ、政治の意味がある」とし、人口が少ない鳥取県選出の石破総理を取り上げ、「私も地元で生まれ、地元で育った。だからこそ届けられる声がある、だからこそ届けたい思いがある」。人口減少対策や一次産業の後継者育成、半島強靭化などにも意欲をみせ、「命をかけ、和歌山に軸足を置き、皆さんの声を国政に届けたい。どうかチャンスをください」と熱弁した。