日高保護司会 北岡さん、田端さんに法務大臣表彰

 長年にわたって更生保護活動に貢献している人をたたえる法務大臣表彰の受賞者が決まり、日高保護司会から北岡久富さん(73)=由良町門前=、田端眞由美さん(78)=美浜町和田=が選ばれた。11月6日に和歌山城ホールで行われる県更生保護功労者顕彰式で伝達される。

 犯罪や非行に陥った人たちの改善、更生を助けるとともに、犯罪や非行のない明るい地域づくりに寄与した功労者を顕彰。保護司では県内から北岡さん、田端さんを含めて16人が選ばれた。

 北岡さん、田端さんはともに2003年から保護司を務め、罪を犯した人の更生や再犯防止、犯罪・非行の予防へ献身的に活動。北岡さんは22年から日高保護司会で会長、23年から県保護司会連合会で副会長を務め、田端さんは保護司のほか、01年から美浜町更生保護女性会で、うち8年間は会長として力を尽くしてきた。

 立ち直りを支える活動では、和歌山保護観察所の保護観察官に相談、連携。保護観察対象者の面接や環境調整を行っている。

 これまで北岡さんは11人を担当。対象者と目線の高さを合わせて接するよう心がけており、再犯を起こさず仕事に就いてくれたときが一番うれしい。一方で全国的にも増えている若者の大麻乱用が気がかり。犯罪抑止に力を入れる。保護司のなり手不足がいわれるなか、定員60人いっぱいの日高保護司会。「チームワークのとれた会」と笑顔を見せ、受賞に「お世話になった恩返しへ定年までやりたい」と話している。

 田端さんは少年を中心に13人を担当。町学校教育相談員の経験を生かし、対象者と同じ目線で向き合う。立派に更生した姿を見るのがうれしく、頭を下げて感謝されたときは「保護司冥利(みょうり)に尽ます」。「立ち直りには家庭や家族の協力が必要不可欠」とし、受賞に「驚きました。ありがたく、うれしいです。これまでの活動が評価されたのでしょうか。それも先輩ら皆さんのおかげです」と話している。