ある日、家にある本を整理していると、一際古い本が出てきました。発行年は1961年。今から63年前です。

 教養を高めることは大切とはよく言われますが、その考え方は時代時代によって変わってくるもの。戦後の記憶が色濃く残り、日本が成長しようと士気あふれていたこの時代、世間の「教養」は何だったのか。少し抜粋して紹介します。現代と比較をしてみると面白かったです。

〈旅行〉
 すいた列車を選んで乗るのが旅行上手の第一歩。主要駅には前日の列車の混み具合が表になって出ているし、時刻表にも前年同月のものが書かれているからこれを参考にするとよい。↓今はきっぷはネットで予約できる時代になり、混み具合もネットで確認できるようになりました。しかし、あらかじめ調べておいて、混雑を避けるというのは変わらない。

〈おしゃれのポイント〉
 清潔であることはおしゃれの出発点であり終着駅でもある。それにはまず下着をとりかえること。安価なものでも洗濯のよく効いたさっぱりとしたものを。↓おしゃれは頑張って外面を着飾ろうとしがちですが、身に付ける下着が肝というのは目からうろこでした。清潔感はおしゃれに直結するのは頷けます。

〈エチケット〉
 返事をハキハキとするのが相手の気持ちをよくする。笑うときは笑う必要のある時に笑う。集会のときに他人がちょっとした失敗をするとどおっと笑うことがあるが、これはもっともエチケットに反している↓多数に同調しがちな現代人。周りに流されず自分の価値観をしっかり持つことは教養人の基本と言えるのでしょうか。(鞘)