
自民党の政治資金問題を受けて離党した前党参院幹事長の世耕弘成参院議員(61)が5日、田辺市内のホテルで会見し、15日公示、27日投開票が見込まれる次期衆院選に、和歌山新2区から無所属でくら替え出馬すると表明した。同選挙区には政治資金問題で引退を表明した二階俊博元党幹事長の三男で、同党公認の伸康氏(46)が立候補を予定しており、保守分裂の激しい選挙戦となる。
世耕氏は、会見に先立って開いた後援会の臨時総会で、満場一致で賛同を受けたとしたうえで、内閣官房副長官、経済産業大臣、参院幹事長を歴任した政治経験を強調。「いわゆる政治資金の還付金の問題で大変な迷惑をかけたが、県民の皆さんから与えていただいた26年の政治経験を生かして、もう一度和歌山の発展、国のために働くチャンスをいただけるか、誠実に真摯に謙虚にお声を聞かせていただきたい」と決意を表し、急激な人口減にストップをかけるため、質の高い雇用、人材育成の施策推進に取り組んでいくとした。
くら替えや保守分裂選挙について「大きな挫折を味わっている中で、あえてチャレンジしたいという思いで2区からの出馬を決断した。退路を断った状態です」と説明。二階俊博氏について「(私は)足元にも及ばない大政治家。常に敬意を払ってきた」としながらも、伸康氏に関しては「政治経験がある私を選ぶのか、新人を選ぶのか、有権者の判断を仰ぎたい」と訴えた。
世耕氏は1998年に参院初当選し、昨年12月14日に政治資金問題を受けて参院幹事長を辞職。今年4月4日に党から離職勧告の処分を受けて離党していた。政治資金問題についてルール違反や政治不信を招いたことに「深く反省している」と謝罪。政治とカネの問題について「透明性を高めていく」とした。
和歌山2区には、共産党の楠本文郎氏(70)、無所属新人の本間奈々氏(55)も立候補を表明。立憲民主党も和歌山市議の新人新古祐子氏(52)の擁立を決めており、5氏による争いになりそうだ。