1カ月ほど前の小欄で、令和の米騒動は新米が出回れば落ち着くだろうと書いたが、反省したい。確かに米不足は解消されているが、値段がびっくりするほど高くなっている。例年は30㌔で8000円台だったが、先日いつもの場所に買いに行くと30㌔で1万3000円だった。思わず店員さんに「高いですね~」と声を漏らしてしまった。「すみません、今年は仕方ないですね」との返答に納得するしかない。米は毎日の食事に欠かせないだけに、例年の1・5倍は正直、各家庭の家計に打撃を与えているだろう。

 米だけではない、10月からまたまた値上げラッシュである。ハムやソーセージ、油などの食料品にとどまらず、郵便料金も約3割高くなる。はがきは現在の63円から85円に。年賀状のシーズンになるが、今年からやめようという人が増えるかもしれない。給料が上がらないのに物価が上がるのは、例え10円単位だったとしても、ちりも積もればで消費者にとっては大きな打撃となる。ただ、値上げは従業員らの給料に反映するためであるなら、納得しようと思う。

 一番疑問なのは一部の医薬品だ。国はジェネリックを推奨するため、先発医薬品を希望した場合は個人負担が増えるケースが出てくるという。1カ月の自己負担額の上限(1万円とか2万円)が決まっている国の助成対象の病気であっても、ジェネリック医薬品を希望しなければ上限を超える場合が出てくる。一体なんのための助成なのかと首をかしげたくなる。

 自民党の新総裁には、物価高の中でも国民が首をかしげなくてもいい環境を作ってくれることを期待せずにはいられない。       (片)