事業所名のプレートを取り付けた玄関先で成瀬さん㊨とスタッフ

 成瀬さんは田辺や御坊市内の福祉事業所で25年間にわたり勤務していたが、「自分の理想の施設をつくりたい」と、独立して一般社団法人「HAPP―Y(ハップ・ワイ)」を設立し、県の認可を受けて新たな事業所を運営する。場所は楠井の国道42号沿い、元喫茶サンフィールドの施設を活用。作業内容は食品営業、農作物の栽培・販売、公共施設やトイレの清掃、袋詰めやラベル張りの内職があり、食品営業ではキッチンカーを年内にも導入。1・5㌧トラックを改造する大型の車両にピザ窯を搭載し、同事業所前や各種イベントに出張して焼きたてのピザを販売する。利用者にとっては厨房や接客などの経験を積むことができる。利用は18歳以上で、障害の種類は問わず、工賃が支払われる。

 お笑いコンビ柔肌工務店としての顔も持つ成瀬さんは、「利用者の抱える生きづらさにも寄り添う事業所を目指します。施設はガラス張りで海が見える絶好の環境となっており、多くの人が出入りする場所にもなれば」と話している。