今回紹介するのは雨穴の「変な家2 ~11の間取り図~」。謎の覆面作家である雨穴による「変な家」の第2弾。1作目は出版業界に旋風を巻き起こし、大ヒット現象となり、電子書籍版を含めたシリーズ累計発行部数は250万部。間宮祥太朗が主演となり映画化もされた。書籍としては「変な絵」に続いての3作目となり、1、2作目が面白かったので手にとってみた。
内容は変な家1作目同様、作者が不思議な間取りを知っていたり、過去に住んでいたりする人にインタビューし、それぞれ謎を考察していく。最初に登場する「行き先のない廊下」と題した間取り。ある女性の子どものころに家族で住んでいた家の謎で、部屋と部屋の間に行き止まりの廊下があったという。調べていくうちにある程度謎は解けていくが、さらにその後には増築ならぬ減築で部屋を減らすという不可解な行動を取ろうとする母親の行動もわかり、謎が深まる。続いては16歳の少年が家族を包丁で刺殺した事件があった家の間取りで、あきらかにプライベート空間が少ない妙な間取りだった。このあとも水車を回すことで部屋の壁が移動する謎の水車小屋や、とある宗教団体の施設、隠し部屋がある家など、11の間取りが紹介される。そして最後には1作目でもおなじみの人物が登場し、それらの謎が解明されていく。
3作目となるが今作も会話形式で物語が進み、読みやすくテンポもいいので一気に読み切れる。これまでの作品同様、一つ一つの物語が順に紹介され、それらが最後に一つにつながる。とにかく楽しく読める作品で、次回作にも期待したい。 (城)