今月27日に開票される自民党総裁選直後の衆議院解散・総選挙の見通しが強まる中、和歌山新2区でも前哨戦に熱を帯びてきた。13日には御坊市選出の前県議で共産党新人の楠本文郎氏(69)と、自民党二階俊博衆議院議員の三男で同党新人の二階伸康氏(46)がともに出身地の御坊で演説し、同郷対決を繰り広げた。

 衆議院小選挙区を「10増10減」する改正公職選挙法が2022年12月に施行、次期衆院選から適用される。和歌山県は3区から2区に減り、新しい2区は前2区の橋本、海南、有田市などと、日高地方を含む前3区の自治体が加わり、27市町村に再編。

 御坊市議9期、県議1期の経験を持つ楠本氏は今年2月、2区からの立候補を表明。すでに選挙区を2巡しており、10人から100人規模の演説会や集い(懇談形式)の開催、街頭演説で知名度アップを図っている。

 13日には市内5カ所、美浜町内6カ所で街頭演説。自民党の政治資金問題を批判し、「庶民の暮らしを応援する政治に変えるチャンス。企業献金も政党交付金も受け取らない清潔な日本共産党と一緒に政治を変えよう」と呼びかけた。消費減税や労働者の賃金引き上げ、令和の米騒動など食糧危機対策も訴え、共産党の小川春美・楠本香織の両市議も演説した。

 父俊博氏の党幹事長時代を東京の秘書として支えた伸康氏は今年5月、県町村会などの要請を受けて立候補を表明。「まず自分の顔を覚えてもらいたい」と、街頭演説や各地での励ます会、イベントへの参加、SNSでの発信を行っている。

 先月23日には党公認候補となる和歌山2区支部長に就任し、13日に市民文化会館で開かれた励ます会には約1300人(主催者発表)が来場。伸康氏が「みんなで一歩を踏み出し、ふるさとを守って次の世代につなげていきたい。人生の全てをふるさとのために捧げる」と決意。市選対本部長の三浦源吾市長や鶴保庸介参議、下宏副知事らも演説した。

 2区には元兵庫県議の無所属新人小西彦治氏(52)も立候補を予定。世耕弘成参議の動きも依然、注目されている。