御坊クリーンセンター(写真左)の隣接地で建設が進められている汚泥再処理センター=8月23日撮影=

 御坊広域行政事務組合が熊野地内で進めている汚泥再処理センター建設工事は、いよいよ建物本体工事に着手する。日高地方1市5町(みなべ町除く)のし尿や生活雑排水を処理する既設の御坊クリーンセンターの老朽化に伴い、最新鋭の膜ろ過処理システムを導入した新施設を建設。ちょうど1年後の来年9月から試運転を開始し、2026年4月からの稼働を目指している。

 現御坊クリーンセンターは、し尿処理の第1施設と管理棟が1988年、浄化槽汚泥専用処理施設が94年に竣工。長年の歳月を経て更新時期が迫っている。

 新たな汚泥再処理センターは鉄筋コンクリート造りで、地上2階地下1階、処理施設や管理棟が一体となる。建築面積は1522平方㍍で、地下は汚泥の受け入れ槽、貯留槽など、地上1階は脱水機や膜分離装置などの機械関係を配置、2階には事務室、会議室などを設ける。処理能力は一日122㌔㍑。
 クリーンセンターで処理している汚泥で最も多いのは合併浄化槽からの排水となっており、今回導入する設備は浄化槽汚泥混入比率の高いし尿に対応した前脱水型の膜分離高負荷脱窒素処理システムとなっており、環境への配慮へ万全を期す。岐阜県中津川市にすでに同様の設備があり、順調に稼働している。

 建設工事は昨年5月から始まり、進捗率は先月末現在19%。地下部分の設備の埋設とコンクリート打設が終わって防食工事が進められており、近く地上の本体建設のための鉄骨が組まれる。総事業費は47億1949万9400円。現施設の解体も含め、工事の全体完了は27年3月を予定している。

 設計・施工は日立造船株式会社(大阪市、桑原道取締役社長)、施工監理は株式会社東和テクノロジー関西支店(大阪市、福永和弘支店長)。