真新しい選果施設で極早生みかんを丁寧に一次選別する職員ら

 日高川町入野に完成したJA紀州柑橘統合選果施設「紀州選果場」で10日、極早生みかん「YN26」の出荷が始まった。新施設での選果は初めて。
 今年は例年より酸度が高めだが、干ばつにより糖度も高く、上々の出来。20日まで大阪、長野、東京、仙台の各市場に出荷される。

 YN26は、県果樹試験場がゆら早生と紅まどかを交配して開発した県オリジナル品種。2012年に品種登録され、県内で最も早い時期に出荷される。果皮は青く、熟した果肉は爽やかな酸味と甘みがあり、房を包む膜が薄く、食べやすいのが特長。

 紀州選果場では、川辺果樹選果場(日高川町入野)とゆら柑橘撰果場(由良町里)の統合に伴い、日高川町や由良町の生産農家約110軒(栽培面積約10㌶)で栽培されたYN26を扱う。木の育成に伴い、生産量は年々増加。10年前から川辺果樹選果場で取り扱っており、今年の出荷量は100㌧を見込んでいるという。

 新施設には最新の選別機が導入されており、サイズ、規格、糖度、果実などの品質判別性能がアップ。出荷箱(段ボール)のバーコードから生産履歴などを読み取る機器も設置されている。搬入作業はこれまで手作業で行っていたが、そのままパレットでトラックに積み込む「パレット輸送」を採用。作業時間の短縮が図られる。

 JA紀州販売部柑橘営業担当の向井宏幸さんは「新しい機械にしたので、より安心安全なみかんを各市場に出荷します。今年は、干ばつによる樹勢の弱まりもあり、生産者の苦労でできました。ぜひ紀州選果場のみかんを食べてください」とPRしている。