由良町の海上自衛隊由良基地分遣隊は7日、開隊70周年記念行事として、式典や基地開放、掃海艇の一般公開を行った。式典では小林比寿(ひとし)分遣隊長が災害への対応について、「県下唯一の海上自衛隊部隊として、いかなる事態にも対処できるよう強い使命感で日々の業務・訓練に励みたい」と決意を新たにした。
中央公民館で行われた式典には県議会議員や周辺の首長、協力会員らが出席した。小林分遣隊長は分遣隊のこれまでの歩みや分遣隊の役割、過去の災害への対応などを紹介。近年の世界情勢の変化や自衛官の“募集難”に触れ、「取り巻く環境は厳しいが、70周年を転換期に、隊員一人ひとりがこれまで以上に気を引き締めて任務に励みたい」と述べた。
来賓祝辞では山名実由良町長が「分遣隊の皆さまには町の事業や地域の活動にも参加していただいており、協力と信頼関係の構築につながっていると感じています。分遣隊と町、町民とのこの協力体制は、巨大地震や風水害に対し必要不可欠。町としても引き続き協力体制の充実を図っていきたい」と述べた。
阿戸の基地では掃海艇「なおしま」が一般公開され、親子連れらが甲板などを見学した。船首の20㍉機関砲には多くの人が興味を示し、隊員が「この機関砲は機雷を射撃して処理するものです」などと説明。御坊市から来た小学1年生の中野閏太(うるた)君は「大きい船で全部かっこいい」と嬉しそうだった。
このほか、基地内では陸上自衛隊車両の展示や制服試着体験などもあった。