いよいよ9月。学校では夏休みが終わって、新学期がスタート。日高地方は27日に日高、由良、印南町で、29日は御坊、美浜、日高川、みなべ町で一足早く始業式が行われた。台風10号の影響はなくて済んだが、全国では台風の不安を抱えたまま新学期が始まる地域もあり、気持ちを切り替え晴れやかなスタート、というわけではなさそうだ。
小中学生の頃は台風が近づいてくると、学校が休みになるんじゃないかと変にそわそわしていた。警報が発表されて臨時休校となったのはちょっと嬉しかったが、自宅待機になった場合はテンションがまた違う。警報が解除されれば登校しなければならなくなるから。逆もまた然りで、雨の中せっかく登校してきたのに、警報が出たのですぐ下校をと言われても、天候が悪くなるなか自力で帰るのは億劫で、かといって、家の人がすぐ迎えに来てくれるとは限らない。
今回の台風の対応を巡って、福岡市内の小中学校では、下校時間の急な変更で保護者の間で混乱が起こった。九州に台風が接近した29日、市教委は当初「給食後に下校」と前日にあらかじめ周知していたのだが、この日の朝に警報が発表されたため、「速やかに下校」と急きょ変更した。保護者に伝わったのが登校時間帯だったため、登校途中で引き返した子どももあり、保護者が不在で帰宅できない子どももいた。その結果、保護者から多数苦情が寄せられたという。
動きが予測できない台風への対応は難しいが、十分に備えすぎて悪いことは決してない。状況を見て判断となると、その場で混乱も起きやすい。思い切った判断を早いうちにすることが、安全につながると思い知らされる。(鞘)