国際試合の出場回数記録を更新し続けているマスターズホッケーの選手、美浜町の妹脊修治さん(76)が、オランダ・ハーグで6月に開かれた国際大会の模様について「オランダ・ハーグ徘徊記」のタイトルで本紙文芸欄に寄稿してくださった。妹脊さんはアライアンス(多国籍)チームの一員として出場。6試合を戦い、国際試合出場数の記録は実に116回となった。◆元高校教員の妹脊さんは定年退職後、本格的にマスターズ選手として活動を開始。2008年の香港を皮切りにアジアカップ、ヨーロッパカップ、ワールドカップなどに出場。「世界での戦い方を知るには世界で戦うしかない」と実際に海外遠征を重ねられてきた甲斐あって、アジアカップでは日本チームとして金メダルを獲得。昨年はヨーロッパカップで銀メダルを受けるなど実績を挙げている◆「ハーグ徘徊記」によると、6日間で6試合というハードスケジュールに対応すべく、練習も6日連続を1クールとし、5クール繰り返してからハーグに乗り込んだという。練習からしてハードである。「オーバーワークになってつぶれないか、一か八かの自分とのたたかい」と語られていた。今回は1勝6敗。オーストラリアのチームには2―0で勝ち、妹脊さんは2得点にからむプレーを見せた。昨秋の香港大会で完敗したイングランドの名門チームと1―2のいい勝負ができたのも収穫だったという◆限界に挑み、それを突破する。アスリートの戦いはいつも見る人の心を揺さぶる。突破できずとも、それと激しくぶつかった感覚が独自の経験として残る。そのぶつかる有様が、他の人の心を動かすこともある。一人の戦いの記録は、そうして多くの人の共有の財産ともなっていく。(里)