現職小谷芳正氏の死去に伴うみなべ町長選(9月24日告示、29日投開票)は、出馬の意思を表明していた会社員の新人平松重孝氏(52)=東岩代=が25日までに立候補を断念。26日には、新たに会社役員の新人早川正志氏(72)=東吉田=が名乗りを上げた。22日に行われた立候補予定者説明会で候補者未定として出席していた2陣営は、早川氏を擁立することでまとまっており、選挙戦は早川氏と元町議の新人山本秀平氏(32)=晩稲=との一騎打ちが濃厚となった。
早川氏は南部高校卒業後、1971年に活性炭製造の総合メーカーミナベ化工株式会社(みなべ町気佐藤)に就職。現在は特別顧問を務めている。企業の立場として町政に協力する中、「まちの未来の発展のために力を注ぎたい」と立候補を決めた。政治経験はないものの、叔父は旧南部町の最後の町長を務めた故山﨑繁雄氏で、その姿を近くで見てきたことでまちづくりに対する思いは以前から持っていたという。
今回、小谷氏の後援会から要請を受け、立候補予定者説明会前日の21日に出馬を決意。小谷氏の後継として無所属で立候補する。小谷町政の第2次長期総合計画を継承しつつ、「計画には未来への希望がある。この素晴らしい計画を見える化し、確実に実行できる仕組みを築いていきたい」とした。
公約には▽防災対策推進▽働き方改革の取り組み▽第一次産業の課題と実行計画の取り組み――を主に掲げている。自身の民間企業の成功体験を生かし、特に子育て世代の離職率を抑える働き方改革にも力を入れ、「仕事と子育ての両立がしやすい職場環境づくりを進めたい」と意欲。梅産業の活性化については「農家の皆さんから学びながら、企業経験で培ったネットワークを生かし、梅商品の販路拡大などのアイデアを考えていきたい」とした。
事務所の場所は南道で準備を進めており、事務所開きの日程は未定。
立候補を断念した平松氏は「諸般の理由で出馬を辞退する」としており、「選挙戦に向け準備、応援していただいた皆さんに感謝申し上げます」と話している。