岸田文雄首相は14日、9月の自民党総裁選に出馬しない意向を表明した。首相の党総裁任期は9月末で満了を迎え、新総裁選出後に退任する。
昨年末以降、自民の派閥裏金事件を巡って世論の批判が高まり、内閣支持率は低迷が続いていた。衆院議員の任期満了が来年10月に迫る中、自民内からは裏金事件での首相の引責を求める声も相次ぎ、自民総裁選への対応が注目されていた。
首相は14日午前11時半から首相官邸で臨時の記者会見を開き、「新生自民党を国民に示すことが重要で、その第一歩は自ら身を引くこと。総裁選に出馬せず、新しいリーダーを一兵卒として支えたい」と立候補しないことを表明。任期の3年間、皆さんの協力で大きな成果を上げることができたとした一方、政治と金を巡る問題が明らかになった当初から身を引くことを考えていたとし、「組織の長として責任を取ることに躊躇はない。外交に一区切りがついたこのタイミングでけじめをつける」と述べた。
次期総裁選には「我こそはという人が手を挙げ、議論を戦わせてほしい。新総裁が決まったときは一致団結してドリームチームを作り、国民に共感が得られる政治の実現をしてほしい」と思いを述べた。
首相は2021年10月に就任。同年10月の衆院選、22年7月の参院選を乗り切り、防衛費の大幅増額や少子化対策の財源確保策などに取り組んできた。