全国規模の介護コンテストで見事優秀賞を受賞した介護福祉士の清水さん

 介護技術を競う第14回オールジャパンケアコンテスト2024(同実行委員会主催)が今月6日、東京ビッグサイトで開催され、御坊市の社会医療法人黎明会「グループホームれいめい」のリーダーで介護福祉士、清水和美さん(57)=御坊市塩屋町北塩屋=が認知症分野Aで1位となる優秀賞を受賞した。

介護の質の向上と地域とのつながりを目指して毎年開催されている。全国から140人が参加し、7部門でA(職歴5年以上)、B(同5年未満)など28分野に分かれて介護技術を競った。

 認知症A午前の部には清水さん含め5人が出場。介護施設の部屋に見立てたブースで、アルツハイマー型認知症の82歳男性役を実際に介護する内容。男性は元美術教諭、2年前に妻が他界、夕方になると帰宅願望があるなどの想定で、与えられた課題の夕食と食前薬の服薬支援に臨んだ。想定はあらかじめ知らされており、清水さんは絵を描いてもらって不安なく夕食のいすに座ってもらおうと考えていたが、実際には男性役の反応が思っていたのとは違ったため、「私が絵を描くので、教えてください」と指導してもらう立場になるなど臨機応変に対応。男性役が靴のかかとを踏んで歩いていることにいち早く気づいて転倒防止に努めるなど、想定ではシークレットにされていた課題もクリアし、対応が最も優れていたとして優秀賞に選ばれた。

 黎明会で27年、介護福祉士の資格を取得して19年のキャリアがある清水さんも、病院で入院患者の介護が長く、介護部門の施設では8年目。コンテストは初出場で「優秀賞はまさかという思いでした。緊張して、男性役の行動で気づけない部分もあったので、この経験を普段の仕事にしっかり活用したい。利用者の皆さんが安心して生活してもらえるよう、どのような支援ができるか日々考えながらこれからも仕事をしていきたい」と話していた。