2週間以上にわたったパリ五輪、数々の熱戦と感動を届けてくれた。個人的には日本勢の活躍はもちろんのこと、話題になったバドミントン女子シングルス中国代表、何氷嬌選手の表彰式での振る舞いが印象深い。テレビのニュースで見て、胸が熱くなった。
女子シングルス決勝は韓国代表のアン・セヨン選手が何氷嬌選手を2―0で下して金メダルを獲得。惜しくも銀メダルに終わった何氷嬌選手だが、表彰式で右手にピンバッジのような小さなスペイン国旗を掲げた。何氷嬌選手は準決勝で対戦したスペイン代表のカロリナ・マリン選手と対戦。第1ゲームを14―21で落とし、続く第2ゲームもマリン選手に先行されたが、10―6でリードするマリン選手が負傷。その後立ち上がり、サポーターを着けて一度は試合を続行したが、ほとんど動けず、直後の2ポイントを落として再び倒れた。その場でひざまずいて号泣。コーチに抱かれ、声を上げて泣く姿に胸が痛かった。これによって何氷嬌選手は、劣勢に立たされながらも、棄権勝ちで決勝に進出。決勝では惜しくも金メダルを逃したが、表彰式でマリン選手を思いやる気持ちを表現し、世界から称賛を浴びた。
もう一人、和歌山県岩出市出身でスケートボード、四十住さくら選手の言葉も格好よかった。自身のランを終えて暫定4位。他の選手の結果を待つ中で「最後まで諦めずに、でも、人の失敗は祈りたくないので」とインタビューに答えた。以前取材させてもらったときも好印象だった四十住選手。さらっと金メダル級の発言をし、あらためて素晴らしい人柄だと思った。ほかにもたくさんのスポーツマンシップが光った五輪。感動をありがとう。(笑)