年を取ると涙もろくなるというのは本当らしい。人生を重ねるなかで共感する力が上がっていくという面もあるようだ。いやしかし、これは年のせいというよりも、感情が大きく揺さぶられたから出る涙であろう。連日、日本勢の活躍がテレビに映し出されるパリオリンピックである。
個人的には二度、涙があふれた。一度目は柔道女子52㌔級の阿部詩選手が敗れ、畳から降りたあと号泣する姿にもらい泣きした。東京五輪後の3年間、筆者らが想像もできないような練習を積んできたからこそあふれ出した涙だろう。そして詩選手をさらに強くした涙だったのではないだろうか。「望んでいた結果で終わることはできなかったが、それよりも大きなものを自分の心の中に残すことができた」とのコメントにまた涙が出そうになった。これからも活躍を応援したい。
二度目は、バレーボール女子日本代表の主将、古賀紗理那選手が予選リーグ最終戦を勝利したあと、コートに突っ伏して泣いていた姿にまたもらい泣き。パリ五輪を最後に現役引退を公言しており、この時点では予選リーグ敗退が決まったわけではなかったが、いろんな思いがこみ上げてきたことは察せられた。結局予選敗退となったが、チームを五輪に導き、エースとして躍動した姿はかっこよかった。
勝者がいれば敗者もいるし、出場選手の数だけドラマがある。この舞台に立つまでの努力は関係者しか分からないはずだが、研ぎ澄まされた心技体は血のにじむ鍛錬があったからこそだとテレビからでも伝わってくる。
感動を与えてくれる、すべてのスポーツ選手にあっぱれ。(片)