和歌山市の紀三井寺公園野球場で熱戦が展開された第106回全国高校野球選手権和歌山大会。本紙エリア7校は4校が初戦を突破し、日高は紀央館との御坊市内近隣校、日高中津との兄弟校対決を制して2年ぶりベスト8と健闘した。そのうち5試合と決勝を現地で取材。一塁側ベンチ横の記者室からバックネット裏に出て球児の一挙手一投足をレンズで追った。

 優勝した智弁和歌山では、長濵心夢君(3年・由良中出身・紀州由良リトルシニアOB)がベンチ入り。3回戦の和歌山南陵戦、準々決勝の日高戦、決勝戦の3試合で、カメラを向けたが、ベンチからグラウンドのチームメートに人一倍大きな声をかける姿が印象的だった。優勝が決まった瞬間は号泣。うれし涙を流し、仲間と抱き合って、喜びを爆発させていた。同じ紀州由良リトルシニアOBで4番打者の花田悠月選手(3年・吉備中出身)も「いつもプラスの声かけをしてくれて感謝しています」。「甲子園に連れて行ってくれるみんなに感謝でしかない」という長濵君の涙ながらの笑顔にもらい泣きしそうになった。

 一方、「今までで一番熱い夏にする」と開会式で宣誓した和歌山南陵の渡邊蓮主将(3年)は、智弁和歌山戦で、7点のリードを許した6回の第3打席に笑顔だった。「笑顔で最後までやろう」を率先して実行し、7回コールド負けが決まった後も、整列を前に「最後まで、最後まで」と仲間を鼓舞。新しい校歌を再び勝って球場に響かせることはできなかったが、その立派な姿がまぶしかった。彼らだけでなく、全ての選手が渡邊君の宣誓にあった通り、「夢、希望、感動を与える試合をし、全力で正々堂々とプレー」。その頑張りに拍手を送りたい。(笑)