パリ五輪が開幕し、各競技で熱戦が行われている。日本選手団では柔道女子48㌔級に初出場した角田夏実選手(31)が最初の金メダルを獲得。29日付の全国紙の朝刊には目を赤くしながらも満面の笑みで金メダルをかじる角田選手の写真が大きく掲載された。記事では角田選手の柔道に対する思いなどが紹介され、目立った成績が残せなかったときには「柔道をやめようかと思ったこともある」などと綴られていた。そういう表に見えない部分を知ると、一層の勇気を与えてくれる。
もちろん、金メダル選手ばかりではない。競泳100㍍バタフライでは池江璃花子選手が準決勝で敗退。白血病を乗り越え、並々ならぬ努力を続けて今大会に挑んだが、メダルには届かなかった。レース後、会場の端に座り込み、タオルで目をぬぐう場面もみられた。勝っても負けても涙を流す。そこには感動のドラマがある。
日高地方でも夏のスポーツがたけなわだ。野球やバレー、サッカーなどの大会が各地で開かれている。しかし、暑さ対策には十分に注意しなければならない。現に中学生のスポーツ大会や一般の野球大会を取材していると、体調を崩す選手もみられた。気象庁の発表によると、29日に栃木県で41度を観測。静岡県、群馬県、埼玉県、茨城県でも40度を超えた。日高地方でも日高川町川辺で35・6度を記録し、熱中症で搬送される患者が相次いでいる。
オリンピック放送に熱中しずぎて夜遅くまでテレビ観戦すると、寝不足で体力の低下や体調不良につながる。それは熱中症のリスクも高める。楽しいオリンピック観戦も、健康管理を考えて、あまりにも熱中しすぎないように。(雄)