即戦力の人材を確保しようと、御坊市は元職員を再採用するキャリア・リターン制度を創設、8月1日から運用を開始する。

 結婚、転職、育児、介護、看護、治療などを理由に市役所を退職した人が、復職を希望する場合に再び採用できる制度で、県内の自治体では初めて。全国的には神奈川県綾瀬市などが導入しており、同市は育児や介護で退職した人に限定しているが、御坊市では退職理由を問わず広く対象として採用。その職員が在職中に培った知識や経験、さらに退職後に身に付けたスキルなどを生かして即戦力として活躍してもらう。育児や介護などで退職せざるを得なくなった職員も安心して再チャレンジできるチャンスにもなる。

 対象は職員として在職期間が5年以上で、退職後10年以内の人。24日現在、該当者は二十数人おり、案内通知を出す。対象となる職員は一度、職員採用試験に合格した経緯があるため、再採用では筆記試験がなく、面接や過去の人事評価をもとに選考し、採用を決定する。

 全国的に国から移管される業務量の増加や職員削減に伴い、自治体職員の負担は増えており、御坊市では忙しい課の業務を他の職員が応援するワークシェアリングもすでに導入するなど、「私たち自身が職場を変える」を合言葉に環境改善に力を入れている。