
みなべ町、高城中学校(高台浩校長)の生徒らが手作りした巣箱に、ニホンミツバチが巣を作っているのが見つかった。同校で巣箱を設置してから4年目にして初めて巣ができた。
高城中では、梅の栽培に不可欠なニホンミツバチの生育環境を守ろうと、3年前からミツバチの学習に取り組み、地元の高城地域共育協議会のメンバーと一緒に巣箱を作って設置してきた。
巣箱は学校の周辺8カ所に置いてあり、今年2月、1年生(現2年生)が巣箱を掃除した際に体育館裏に置いてあった1つをテニスコート裏の道端に移動。先月下旬、教職員がその巣箱にニホンミツバチが群れているのを発見した。巣箱の中には直径約25㌢程度の巣があり、今後も大きくなることが期待される。
ミツバチ学習を指導する協議会の下村勤会長(80)は、巣ができた要因として、「テニスコートの裏は日陰で風も弱く、日陰を好むニホンミツバチにとって条件的に良い環境だったのではないか」と推測。2年生の松井望朱希(みづき)さんは「巣箱を置いたときは半信半疑でしたが、巣ができて『やった』と思いました。もっともっとハチが増えてくれたらいいな」と喜んでいた。
ミツバチは巣箱の位置を学習し、場所を移動しても元いた所に戻る習性がある。高城中は来年3月、上南部中との統合に伴い閉校することが決まっているため、来年度以降、巣箱を移転させるのかどうか検討しなければならない。下村会長は「来年度からは高城・清川小の高学年を対象にミツバチの学習を行いたいと考えている。せっかくできた巣なので、子どもたちに引き継いで見てほしいと思っています」と話した。