来週から夏休み。その頃には梅雨も明け、本格的な夏が到来する。長いようであっという間の夏休み。しかし、皆がみんな、楽しい夏休みになるとはいかないようだ。
ある調査によると、夏休みをどのように過ごすかについて最も意見が多かったのが、「自宅で過ごす」。円安に値上げ、おまけに増税となると、そうせざるを得ないのは納得する。酷暑で家のエアコン代にも気を遣わなければならない中、夏を楽しむどころか、夏をどう乗り切ろうかと考える人が多くなっているのではないかと思う。
そんな中、子どもを持つ低所得者世帯などは「夏休みが来てほしくない」と感じているのがほとんどだという。学校がなく子どもが家にいるということは、毎日の食事代や電気代など家計に変化が起きるからだ。そして何よりも、子どもに夏の思い出をつくってあげたいとなると、旅行や外食、遊びなど、どうしてもお金がかかってくる。
夏休み前の学校では、「私ね、〇〇へ旅行に行くんだ」なんていう会話が繰り広げられることだってある。そうなると、家庭での会話は「〇〇ちゃんはどっか行くんだって、うちはどこも行かないよね」という流れになりやすい。あるニュースで見たが、小学生の子を持つシングルマザーは「家の状況を分かっているのか、子どもが小さい頃から欲しい物をねだられたことがない。やはり我慢させてしまっていると思う」と、苦しい胸の内を明かしていた。
社会のせいで子どもにまで格差が及んでいるのかと思うと、大人としてとてもしんどい。義務教育で同じように教育を受けているのだから、体験機会の平等を保つことも必要なのではないかと思わされる。(鞘)