「『来てよかった、住んでよかったみなべ町』づくりにまい進したい」と語る平松氏(田辺市役所で)

 10月23日の任期満了に伴うみなべ町長選(9月24日告示、29日投開票)に向け、新たに会社員の平松重孝氏(52)=東岩代=が11日、立候補を表明した。行政経験や政治経験はないが、「民間の視点を生かし、みなべ町に〝新しい風〟を吹かせたい。町民の笑顔が絶えないまちづくりに取り組んでいきたい」と決意を示した。

 平松氏は現在、信用金庫職員として田辺市で勤務している。町長選への出馬は約2年前から考えていたといい、出馬の理由に「地域の過疎化・少子化対策、防災対策などの課題をスピード感を持って対応できているのか疑問があった」ことを挙げ、「いまこのまちを変えていかないと、諸問題に対応できないと強く感じている」と語った。

 具体的な公約はこれから決めていくとしているが、この日は▽防災対策▽過疎化対策▽産業の振興――に対する基本的な考えを示した。防災対策は、地区ごとに意見を聞いて対策を早急に進め、大型車がスムーズに通行できる避難路の整備などに力を入れる。過疎化対策は、第2子以降の0~3歳の保育料無償化と副食(おやつ等)の完全無償化、公民館などの施設を活用して子どもたちの学力向上を目指す。産業の振興は、民間ならではの立場を生かし、事業者組合や開発公社などとスクラムを組み、梅の効能探究や消費拡大、水産業の活性化を図ることなどを掲げた。

 平松氏は日高高校、大阪会計専門学校を卒業後、県内の信用金庫に就職し、現在も在職している。無所属で出馬し、選挙期間中は会社員のまま活動するとしている。

 町長選に向けては、現職の小谷芳正氏(74)=筋・4期=が今年3月の議会定例会で立候補を表明、4月には元町議の山本秀平氏(32)=晩稲=も立候補を表明しており、合併した2004年以来、20年ぶりの選挙戦は三つ巴が濃厚となった。