さすまたで不審者役の動きを封じる教職員

 御坊市、湯川中学校(芝一哉校長)で8日、御坊署の協力で初の不審者対応訓練が行われた。

 授業中、3年生の教室に刃物を持った不審者が侵入したという設定。訓練は2教室で行われ、御坊市教育委員会職員の松村康平さん、友渕勝哉さんが不審者役を務めた。

 不審者は前の出入口から教室内に入り、授業をしていた学年担任は生徒を守りながら速やかに後ろの出入口から体育館へと避難させた。約3分20秒後に避難を完了した。教室には他の教諭2人が駆けつけ、校内の各所に配備していたさすまたを使って3人で不審者役を追い詰め、一人は腹部、他の2人は足元など手分けしてさすまたで押さえ、動きを封じた。

 訓練後、御坊署生活安全刑事課の片山隆志巡査部長から「腹部や胸部は押さえやすいが、逆にいうと相手が簡単にさすまたをつかみ、たぐり寄せられる可能性もある。一人は前から、他の人は後ろから膝裏を押して転倒させるなどその時の状況に応じて対応しなければならない。さすまたで取り押さえるのではなく時間稼ぎの手段と考え、実際は自分の身を守りながら机でも椅子でもなんでも使って止めて」など詳しくアドバイスを受けた。

 その後体育館に移動し、片山巡査部長は生徒らに「自分で自分の命を守れるように心がけて」と呼びかけた。最後に生徒会長の田中翔稀君(3年)が感謝を述べた。