まちの歴史や文化を伝える貴重な資料180点が展示され、初日から地元住民らが興味深く見学した

 日高町は、比井地内の比井崎集会所内に民俗資料館を開設。4日にオープンした。

 場所は旧比井保育所。建物を集会所に改修し、一室を民俗資料館にしている。町内の民俗資料はもともと阿尾小学校や比井小学校に展示していたが、両校廃校のあとは日高中学校で保管していた。

 昔の生活用具、農具、漁具、大工道具など町の生活史を伝える貴重な資料180点を展示。江戸後期とみられる医師往診用のかご、大きな水がめ、蓄音機、1㍍ほどあるそろばん、御坊人形、龍が彫られた大きな瓦、昭和30年に由良町神谷沖の網で捕獲されたアシカの剥製などがずらり。午前10時の開館から地元住民が訪れ、「農具は子どものころに使ったことがあるので懐かしい」「こんな錨(いかり)は初めて見た」などと興味津々に1点1点を眺めていた。地元比井の山中敏次さん(73)は「初めて見るものが多く、勉強になります」と話していた。

 松本秀司町長は「地域の文化や歴史を発信する拠点として開館することができた。皆さんのご来館をお待ちしています」と話した。

 資料館横の廊下では日高町古文書同好会が「日高町にあった!安政の大地震・大津波の記録」をテーマに資料展示。日高町9条の会も戦争遺品等を展示している。

 開館日は毎週木曜と毎月第3土曜、いずれも午前10時から午後3時まで。開館日以外でも見学の希望があれば応じる。

 問い合わせは町教育委員会℡0738―63―3812。