女子バレーSVリーグ所属の東レアローズ女子バレー部が今年4月、新たに発足させた中学生年代の東レアローズ滋賀U15の監督に、御坊市名田町出身で東レで活躍した芝田安希さん(43)が就任した。東レ退団後、2015年から9年間勤務した御坊市役所を3月末で退職。古巣に戻り、指導者として将来、日本のトップリーグで活躍する選手育成に力を注ぐ。
芝田さんは小学3年から名田ジュニアでバレーを始め、名田中から京都成安高校に進学し、卒業後は憧れだったユニチカに入社。翌年、ユニチカの休部に伴い、東レへ移籍した。ウイングスパイカーとしてチームをリーグ優勝や天皇・皇后杯優勝などに導き、2009年、2010年は主将を務めるなど、日本のトップで輝かしい成績を残した。退団後は御坊市の職員となり、仕事と併行して中学生の部活指導、国体和歌山チームの監督も8年間務めた。
バレーの国内リーグは現在、トップのV1からV3まで3つのリーグに分かれているが、今年10月からは将来的なプロ化を目指し、トップのSVリーグと、その下部にあたるVリーグの2つに再編。SVリーグに所属するにはホームアリーナの規模や年間売り上げなどの条件があり、U15のクラブチームを持つことも必須。SVリーグに参戦する東レもU15チームを発足させるにあたって芝田さんにオファーがあり、「私を育ててくれた東レにいつか恩返ししたかった」と二つ返事で快諾。立ち上げ準備からかかわり、4月のチーム発足と同時に初代監督に就任した。
チームは東レの本拠地である滋賀県で活動しているが、メンバーは地域を問わない。すでに中学1年生から3年生まで約25人が入部。当面は8月31日と9月1日に行われるVリーグジュニアの大会で日本一を目指す。
芝田さんは「強いチームを目指すと同時に、将来的に東レなど日本のトップで通用する選手を育てるのが目標。技術だけでなく、ケガ予防のためのトレーニング、何より人間性や自分の思いを言葉にできる積極性と自主性、投げ出さない我慢強さなどメンタルの部分を大事に指導していきたい」と話した。