サッカー元日本代表でベルギー1部シントトロイデンのFW岡崎慎司選手(38)が今季限りで現役を引退する。ダイビングヘッドが代名詞のストライカーで、泥くさいプレーで抜群の得点感覚を持つ。日本代表としては釜本邦茂、三浦知良に次ぐ歴代3位となる50ゴールを記録。ワールドカップでは10年(南アフリカ大会)のデンマーク戦、14年(ブラジル大会)のコロンビア戦で得点を決めた。
岡崎選手の父弘晃さん(74)はみなべ町東本庄出身。弘晃さんの兄賢一さん(79)が住む同町には以前から墓参りなどで訪れることがあった。初めて日本代表入りが決まった10年には地元でサイン会を開催したこともあり、筆者も一度だけ、取材でお会いさせていただいた。笑顔を絶やさずに接してくれ、気さくな人柄だったことを鮮明に覚えている。体つきはがっしりとしていたが、身長はそれほど高くなく、どこにでもいそうな若者で、テレビを通してみるサッカー選手としての姿にギャップを感じたほどだった。
岡崎選手は著書の「鈍足バンザイ!」で、「サッカー選手としては足が遅く、背も低い。才能がないことを自覚したことで、強い課題意識を持って練習に取り組んだことが上達につながった」という趣旨のことを語っている。常に目標を追いかけ、努力を欠かさなかったことが一流の世界の中でも成功したのだろう。
先日、行われた引退会見では「現役ではワールドカップで優勝することができなかった。今後は指導者となって目標を達成したい」と語った。夢や目標は途中で諦めてしまうことが多い。しかし、夢を追い続けることができるかどうかが、一流と凡人の違いではないか。(雄)