2日間の梅ワーの研修で学んだことを発表する参加者

 一般財団法人地域活性化センター(東京都)が主催する地方創生実践塾がみなべ町で20日から22日まで開催され、全国から集まった自治体職員や会社員など約20人が3日間にわたって、みなべ町の地域課題解決事例を学んだ。

 同センターの地方創生塾は、参加者が先進的な取り組みを行う地域を訪問し、講義やフィールドワーク、グループワークを通して実践的な地域づくりのノウハウや手法を学ぶ。今年度は全国9カ所で開催。初開催となったみなべ町では、都市部で働く人がみなべ町の梅農家の仕事を手伝う「梅収穫ワーケーション(梅ワー)」の事例を学んだ。

 参加者は栃木、福岡、宮城の自治体職員や民間企業の会社員、他地域の農家など全国各地から集まった。20日は梅ワーケーションを運営する島田由香さん(東京都出身)の講義、21日は梅ワーの受け入れ農家で収穫を手伝い、ぷらむ工房(晩稲)見学や梅料理の調理も体験した。

 最終日となる22日は、空き家を改装した梅ワー参加者の活動交流拠点「37BASE(ミナベース)」でグループワークを行い、2日間を通して学んだことを発表、共有した。

 参加者からは「地域の関係人口を増やすためには地元の人がどうしたいかという意識を広めることが力になる。自分のまちでも特産物と絡めて実践したい」「外の人が農家の生活の一部に入って非日常を感じられる体験がよかった」「梅ワーを受け入れる農家が増えるとまちにもポジティブな考えの人が増えるのかなと思う」などと、さまざまな意見が飛び交っていた。

 まとめの言葉では、地方創生実践塾の専任講師で元総務省職員の箕浦龍一さんが「優良事例をただ横展開するのではなく、大事な要素を振り返りながら記憶しておくことが大事。地域で何をやりたいのか可視化することが大切」と述べ、島田さんは「地域に来てみないと体験できないことがあります。そのことを大切に思ってもらいたい」などと参加者にエールを送った。