
和歌山高専と白浜町の日置中学校、長野県の日置電機(ひおきでんき)株式会社などが連携して取り組んでいる海藻アマモの人工栽培で、アマモに種子がついていることが確認された。人工栽培で種子ができるのはごくまれで、栽培法を確立できれば減少が問題となっているアマモの増殖への足がかりになる可能性がある。
研究は、電気計測器メーカーの日置電機が提供する機器を使い、和高専生物応用化学科の楠部真崇教授の指導で昨年冬から日置中の生徒が水槽でアマモ栽培を始めた。校庭の土や花壇の土、海岸の砂など27のパターンで栽培したところ、今年5月、3つのパターンで種ができていることを発見した。アマモは人工的な栽培で種がついたという報告は少なく、増殖への取り組みは天然の種が使われており、人工的に作れるようになれば、増殖活動をさらに拡大できる可能性がある。
楠部教授は「以前、高専で育てたときも種はついておらず、今回、中学生がつけさせたのはすごいこと。今後、種がついたパターンを分析、再現性をとって、種をつける確率を上げていく研究を進めたい」と話している。