「歴史上の好きな人物」などで、上位に入ってくるのは織田信長をはじめとする戦国武将だが、坂本龍馬や近藤勇などもあり、戦国と並んで人気なのが幕末だ。ペリー来航を発端に尊王攘夷運動や薩長同盟、大政奉還、戊辰戦争などさまざまな出来事が次々起こり、目まぐるしく時代が変化していく。この時代はドラマ化されることも多く、個人的には敗走しながらも最後まで戦い続ける旧幕府軍を描いた作品が好きで、中でも渡辺謙主演のドラマ「壬生義士伝」が気に入っている。
そんな旧幕府軍の主要な藩の一つが会津藩。鳥羽伏見の戦いでは新選組などとともに新政府軍と戦ったが敗れ、一部は紀州藩を頼って和歌山に逃れ由良町や御坊市にたどり着いた。由良町では当時の村民が負傷者を手厚く介抱したと記録に残っており、寺には墓もある。中には藩士からお礼の品を受けた家もあり、その中の一つの甲胄が、このほど神谷のゆらふるさと伝承館(旧白崎中学校)に寄贈された。
甲胄は逃げ延びた藩士がそのまま渡したのか、後日お礼として贈られたかなど不明だが、当時の藩士の熱い思いが宿ったような凛々しさが感じられる。町では今後、会津若松市の学芸員などの協力も受けて当時の所有者などを調査していくが、町の歴史の貴重な資料となるとともに、由良と会津をつなぐ絆の甲胄となることを期待したい。(城)


