昨年5月、新型コロナの感染法上の位置づけが2類相当から5類へ引き下げられ、疲弊していた観光地ににぎわいが戻った。イベントの開催もコロナ禍前と比べて何ら変わらない状況に回復したほか、円安の影響で日本を訪れる外国人観光客も増えている。

 先日、日高川町寒川地区でも幻想的なホタルと竹キャンドルを楽しむイベント「ワンダフルナイト」が開催され、夜間にも関わらず町内外から大勢の家族連れが訪れた。地元の実行委員会を中心に昨年末から準備を始め、約4000個のキャンドルで地域全体を幻想的に演出。自然の中で飛び交うホタルをベースに寒川地区ならではのイベントに仕上げた。

 以前、みなべ町に上陸するウミガメの観察会に参加した東京の女性と取材を通じて話をする機会があった。その日はたまたまウミガメの上陸がなく、「せっかく遠くから来たのに残念でしたね」と声をかけると、女性は「ウミガメは見ることができませんでしたが、真っ暗な空間の中で静かな波音を聞き、夜空いっぱいの星空を見れただけで十分です。東京では絶対体験できません」と笑顔を見せた。

 観光客が求めるのは普段体験できない非日常の世界。日高地方には都会にないきれいな清流や海、豊かな山などが至るところにある。それに演出を加えることで、都会の人が求める観光地となるのではないか。(雄)