読者の皆様に記者らがお勧めの本を紹介する「本のひだかや」が始まってもう何年にもなる。感想を聞かせてくださる方、本の入手法を問い合わせてくださる方もおられ、ありがたい限りである。しかし、いつも執筆に当たって頭を悩ませる問題がある。いわゆる「ネタバレ」である◆ある程度内容を書く必要があるが核心部分に言及できず、どこまで書くか悩ましい。本当に書きたいのは感動の核心で、何もかもネタバレして書き尽くしたいところだがそうもいかない。だが、若い世代には「ネタバレОK」の割合が多いと、テレビを通じて知った◆「どうなるか分からない」というドキドキ感が、「ワクワク」ではなく逆にストレスになるので、あらかじめ中身を知ってから作品に接したいという。いろんな局面で「絶対安全」志向が高まっていることを思えば、ある意味当然の傾向かもしれない。しかしことは単に時代の変化という単純な言葉に収まらず、何か根本的な部分で人の心のあり方が変わる、重要な過渡期を示しているような気がしてならないのだが◆そうはいっても、世代の人数から考えて「ネタバレ厳禁」は筆者も含め多数派と思われ、やはりまだまだ核心に触れない紹介が必要だろう。いっそのことネタバレ前提で誰もが知っている「スイミー」など有名なものを選び、複数の人が感想を述べ合う「紙上読書会」も面白いかもしれないが。(里)


