先日、科学技術分野の文部科学大臣表彰で創意工夫功労者賞を受賞した、日高広域消防の職員に対する賞状伝達式が行われた。受賞したのは黒井郁弥司令補で、森本敦貴消防士とともに、可搬式ポンプ水平装置を開発。林野火災での中継送水に必要不可欠な可搬式ポンプは、水平を保たなければ燃料供給がうまくいかず、エンジンが停止する恐れがあるため、斜面でも簡単に水平を維持できる方法として考案した。今年度文部科学大臣表彰創意工夫功労者賞の受賞者は全国469人、うち県内は2団体5人。黒井司令補ら総務省関係は10人で、とても立派なことだと思う。

 そして、今年度もまた、日高広域、御坊市の各消防で研究発表会が開かれた。隊員が日ごろ使っている資機材について、より使いやすく改良したり、新たに考案・開発したりした成果を披露。業務上の課題に着目し、改善される効果をプレゼンテーションした。

 日高広域で「骨盤固定器具の装着補助具の開発」「消火栓開閉バルブを小さな力で解放することができる消火栓開閉金具の改良」の2作品、御坊市で「より簡易的に管理及び操作ができ、費用を抑えた救命索発射装置」「廃棄ホースを使用したホースバンド」「ホースバッグ携行時の負担軽減」「蛇腹防火ブーツ」「酸素チューブ等の長さを容易に調節できる器具の開発」「効果的な救命講習を行うためのAED使用時の吸着シート」の6作品。プレゼンを聞き、消防の職員ではないが、いずれもいいものばかりだと、感心した。

 研究発表は業務の質向上につながる実にいい取り組み。私たちも日ごろから問題意識を高く持ち、気付き、働きやすい環境に改善していくことが、いい仕事につながるのだと思う。(笑)