8年ぶり一騎打ちの御坊市長選は、いよいよ最終盤に突入していく。現職の三浦源吾氏(64)は組織力で優位に立ち先行、握手でのスキンシップ作戦で「市民とともに歩む行政」をアピールしている。告示まで1カ月を切って名乗りを上げた新人の山本譲一氏(62)がそれを追う形で、演説や市街地を練り歩くなどの運動を展開し、「市民目線の行政の実現」を訴えている。

三浦陣営では各種団体から57件(23日現在)の推薦状が出され、保守系市議らの支援も受けて組織体制を整えるが、支持者から「大丈夫やてよ」との声もあり、上滑りを警戒。推薦を受けた団体にもう一度念押しをするなど票固めとともに陣営の引き締めを図る。前回選挙が無投票とコロナ禍で一日限りの街宣となったため、今回は候補者本人が期間中16カ所で実施する街頭演説では、集まった有権者一人ひとりと丁寧に握手。「御坊に生まれて住んでよかった、だれもが住みたいまち御坊を目指す」などと訴えている。三浦氏は「私自身が初の選挙戦で手応えは分からないが、選挙を通じて有権者とお話しさせていただけることをうれしく思う」と話している。

山本陣営は候補者本人が日本保守党員だが、党に公認申請はしておらず、支援団体がない中での戦い。期間中は数人の運動員らとともに街宣車で巡回し、人が多く集まるロマンシティ前やJR御坊駅前などで演説。国道42号沿いでは練り歩きながら手を振り、有権者に思いを伝えている。現体制の打破や公共工事入札制度の見直しなどを訴えており、山本氏は「自分が選挙に出馬するとは考えてもいなかったが、3年前に環境保全団体を立ち上げ調べていくうちに不透明な行政のあり方が明るみになり、何とかしなければと立ち上がった。選挙運動を通じて沿道や車から手を振ってくれる人も増え、私の訴えが少しずつ有権者に届いていると感じる」としている。