ある飲食店の店舗で、男性店員が高齢男性の客に対してブチ切れしている動画がSNS上に瞬く間に拡散された。機械の故障でソフトクリームの提供ができなかったことに対し、高齢男性の客が「それなら貼り紙をして知らせてほしい」と店員に注意したことが事の発端ではと、ネット上で推測されている。

 YouTubeをたまたま見ていてその動画を目にしたが、男性店員のキレ方が尋常じゃなかった。「表に出ろこの野郎!」と男性客をののしり、「今すぐ帰れよ!」と、今にも突っかかってきそうな態度で連呼。慌てて止めに入る女性店員の静止を振り切るほどで、店内は何ともいたたまれない空気に包まれていた。ゴールデンウイークの真っただ中で、小さな子どもがいる家族連れも多く食事を楽しんでいただろうに、あんな光景を目撃したらトラウマになりそうなくらい衝撃的な動画だった。

 近年は、カスタマーハラスメント(カスハラ)という言葉が定着してきたほど、消費者の過度な要求が問題となっている。男性客が店員に対しどんな言い方をしたのか、動画では分からないので一概には言えないが、機械が故障していることを客にも分かるようにしてほしいという言い分は理不尽でもなく、男性店員が自分の感情をコントロール出来なかっただけなのかもしれない。仕事、特に接客業はさまざまな人と対峙する中で、たとえ相手に嫌なことを言われても、その場でぐっと感情をコントロールすることが必要になってくる。

 感情を上手にコントロールするには、自分が思っていることを客観的に捉えたりして気を散らすことが大切だそうだ。すぐ実践するには難しいかもしれないが、ここは大人の振る舞いとして身に付けておきたい。(鞘)