県内市町村の2022年度特定健診受診率(速報値)が公表された。トップは唯一50%を超えたみなべ町で、前年度1位の北山村を逆転し、国、県が29年度末までを目標に掲げる60%達成が視野に入る。一方、日高地方では御坊市と由良町が県内平均の36・8%を下回っており、御坊市では新たに公募型プロポーザル(企画・提案)方式の受診勧奨事業を導入し、挽回を狙う。

 特定健診はメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目し、生活習慣病を予防するのが目的。身体測定、診察、血圧測定、血液検査があり、市町村では国民健康保険加入の40歳から74歳までを対象にしている。

 県内の受診率上位は1位がみなべ町の51・4%(前年度比0・5㌽増)、2位が日高川町の49%(1㌽増)、3位が北山村の46・2%(15㌽減)。2011年度からの受診率記録では21年度まで北山村がトップを独走。みなべと日高川町も以前から受診率が高かったが、今回初めてみなべ町がトップとなった。みなべ町担当課によると、個人の特性に合わせた勧奨はがきの送付など受診率アップの取り組みは他の自治体と大きな差がなく、「梅のまちみなべの住民は健康意識が高く、いい意味での田舎ということで連れ立って健診に行く習慣があるのかもしれません」と話している。ワースト1位は高野町の22・9%(3・5㌽減)。

 日高地方の受診率をみると、御坊市は35%(0・5㌽減)、由良町は32・9%(1・2㌽増)でいずれも県内平均を下回っており、今後の引き上げが大きな課題。御坊市でも以前からはがきや電話での勧奨、地域での回覧板などで受診を呼びかけてきたが、今年度から勧奨事業を企業から公募し、最も優れた提案を採用、事業実施してもらうプロポーザル方式で決定。民間のアイデアを切り札に受診率アップを目指す。