みなべ町で2022年から行われている梅収穫ワーケーション(梅ワー)が、官民連携によるSDGs(持続可能な開発目標)の達成や地域課題解決につながる優良事例として内閣府から表彰を受けた。梅ワーを通した梅農家の人手不足解消、都市と農村の交流機会の創出が、地域活性化につながるものと高く評価された。
梅ワーは、地元の梅農家と一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会(沖縄県)、町などが協力して進めるプロジェクト。東京や大阪など都市部で働く人が数日間、みなべに来て収穫作業を手伝い、作業に没頭する体験を通して心が豊かになり、心身ともにリフレッシュできるという。
受け入れる地元農家にとっては繁忙期の人手不足の解消につながり、1年目は6月の1カ月間で延べ240人、2年目は5~7月の70日間で延べ382人が参加。町の関係人口創出手段としても有効な取り組みとなっている。
内閣府の表彰は全国から55の地域創生プロジェクトの応募があり、梅ワーは6つの優良事例の中の一つに選ばれた。一次産業を活用したワーケーションの取り組みはまだ少なく、みなべ町の梅ワーをきっかけに三重県の柑橘農家でも取り入れられるようになっているという。選考委員からは「他地域の一次産業にも応用できるモデルになる」などと評価された。
3年目となる今年も5~7月まで実施を予定している。25日には農家向けの説明会を開き、34軒が参加した。今年は参加者の家族も楽しめるよう、地元の小中学校などに協力してもらい、梅ワー期間中に参加者の子どもを預けられるようにする取り組みも展開していきたいという。
梅ワーの広報を務める日本ウェルビーイング推進協議会の島田由香代表理事は「農家さんと参加者の関係性を大事に、お手伝いを通して地域を盛り上げていきたい」と話している。