国土交通省は２７日、２０２４年１月１日現在の地価を公示した。和歌山県内では住宅地や商業地などを合わせた全体の平均変動率がマイナス０・６％で、１９９２年以来３３年連続の下落。一方で平均変動率の下落率は２年連続の縮小。日高地方は選定替え１地点を除く１３地点が軒並み下落となった。
公示地価は、民間の不動産取引や相続税評価の目安となり、県内は２３市町の１８０地点を調査。前年からの継続１７６地点のうち、価格上昇は４２地点、横ばいは２１地点、下落は１１３地点。全国的な景気の上向きに対して和歌山県の地価の回復傾向は鈍く、特に利便性の高い和歌山市内で価格上昇地点が増えたのに対して、津波の恐れがある沿岸地域はさらに価格が下落するなど二極化が進む傾向にある。
県内住宅地（１１１地点）の平均変動率はマイナス０・７％で、前年比０・５㌽縮小。最高価格（１平方㍍当たり）は和歌山市美園町２丁目８０番（ＪＲ和歌山駅西）の１７万５０００円で８年連続。駅や周辺の商業地域に近いなど利便性が高い地域のマンション用地需要が活性化している。変動率もプラス２・９％で県内トップとなった。価格下落の変動率トップは有田市宮崎町字宮ノ脇５１６番４の３万１９００円で、変動率はマイナス３％。有田川河口に近く津波災害の不安から需要が低い地域。
県内商業地（６０地点）の平均変動率はマイナス０・５％で、前年比０・５㌽縮小。最高価格は和歌山市友田町５丁目５０番外（ＪＲ和歌山駅西）の４５万円で、２５年連続。変動率はプラス１・４％。価格上昇の変動率トップは和歌山市紀三井寺字南前浜６２１番１の１１万円で、変動率はプラス１・９％。国道４２号線沿いの繁華性の高い路線商業地域。価格下落の変動率トップは有田市箕島字船面８７６番５の４万６５００円で、変動率はマイナス３・５％。箕島駅前商業地域だが、顧客流出により衰退傾向にある。
ほか、工業地（４地点）の平均変動率は昨年のマイナス０・２％からプラス０・３％となり、上昇に転じた。
日高地方は住宅地９地点（うち選定替え１）、商業地５地点で調査。最高価格は住宅地が昨年と同じくみなべ町北道字西里中２５１番（南部小学校北付近）の３万２３００円で、変動率はマイナス０・６％。商業地も昨年同様、御坊市薗字宮ノ前３１２番１の６万２７００円（市立体育館西付近）で、変動率はマイナス０・５％。ほか、日高地方の地価は次の通り（カッコ内変動率）。
【住宅地】御坊市島字牛河７３番１２（選定替えで増減なし）▽御坊市湯川町富安字小谷２１９７番１４＝１万８１００円（マイナス１・６％）▽御坊市湯川町小松原字中ノ坪１５６番１＝２万８４００円（マイナス１・４％）▽美浜町大字田井字釜井戸２８５番３＝２万４９００円（マイナス２％）▽美浜町大字吉原字大松原１０９０番１８＝２万２００円（マイナス１・５％）▽由良町大字阿戸木場坪１００１番１８＝１万８７００円（マイナス２・６％）▽由良町大字里字野手８４５番４＝１万７１００円（マイナス２・３％）▽みなべ町芝字芝添６７０番１＝３万１０００円（マイナス０・６％）【商業地】御坊市湯川町財部字田之上８１１番２＝５万９５００円（マイナス１％）▽美浜町大字田井字番留５６６番１＝３万１３００円（マイナス２・８％）、由良町大字里字吉路４３７番２外＝２万５５００円（マイナス１・２％）▽みなべ町芝字松原４４６番７＝４万７００円（マイナス１％）
