「倒れんジャー」 参加者に体力測定を実施

 印南町は、今年度から開始した「高齢者の保健事業と介護予防等の一体的な実施事業」について、実施計画で設定した目標をすべて達成できたと発表した。同事業は高齢者の健診結果や医療受診などのデータを活用、地域の健康課題への取り組みにつなげようと、国の後期高齢者医療広域連合が2020年度から開始。印南町は広域連合の委託を受け、日高地方で初めての実施となった。

 実施計画は医療・介護に関するデータ分析し、印南町は▽慢性腎臓病と糖尿病、血糖値が高い人の割合が高い▽糖尿病の受診勧奨値になっても医療機関の受診ができていない人がいる▽フレイル(加齢で心身が老い衰えた状態)の傾向にある人が増加――の3つの課題を挙げ、解決のためのアプローチを実践した。

 アプローチは健診で糖尿病を指摘されながらも受診していない対象者へ継続的な訪問と電話で保健指導を実施するハイリスクアプローチ、町が行っている週1回の筋力トレーニング教室「倒れんジャー」の参加者に健康教室や相談会などを実施するポピュレーションアプローチの2つに分け、6カ月間にわたり実践した。

 その結果、ハイリスクアプローチでは対象者全員が受診につながり、ポピュレーションアプローチでは期間中に2回の体力測定を行ったところ、参加者14人中10人が前回よりも体力がアップ。全員が実年齢より若い結果となり、最高で13・4歳若返った人もいた。

 実施結果を受け、町では「今後とも1人でも多くの高齢者が健康を維持できるような取り組みを行いたい」と継続の方向を示している。