西川護岸改修のスピードアップにも期待

 県は西川流域を、特定都市河川浸水被害対策法に基づく特定都市河川に指定することを目指して取り組みをスタートさせる。西川を含め計19河川が対象となり、流域治水による強靱な地域づくりを推進。25日には関係する御坊、美浜、日高、日高川の4市町とともに意見交換会(準備会)を開き、今秋にも特定都市河川への指定を目指す。

 同対策法は21年に整備された流域治水関連法の中核をなす制度。法指定を受けることで、国が都道府県、市町村、民間事業者が実施する流域治水のハード、ソフト対策を計画的かつ集中的に行えるよう支援。田畑などの土地で行う面積1000平方㍍以上の開発に伴い、雨水浸透阻害行為(河川を増水させる恐れのある行為)については対策工事も義務化される。今月12日現在、全国では23河川が指定を受けており、29河川が指定を検討中。和歌山県内にはなく、今回指定を受ければ初めてとなる。

 西川流域河川は美浜町の西川のほか、日高町の志賀川、御坊市の東裏川、下川、日高川町の堂閉川などがあり、過去の大雨による周辺への浸水被害を受けて、日高川水系河川整備計画に基づき、治水対策がすでに進められている。特定都市河川の指定を受けることで国からの補助金を一層安定的に確保、または増額させる狙いがあり、現在進められている西川河川改修や今後計画されている下川の放水路整備などのスピードアップも期待される。

 今秋に法指定を受ければ、県と関係市町の西川流域水害対策協議会を設置し、今年度中に同対策計画を策定する。